房総半島にはセレブ専用サーキットが多数!?その理由は
2020年11月02日
コースレイアウトはほかに類がない
「ザ・マガリガワ・クラブ(THE MAGARIGAWA CLUB)」はコーンズによる、ドライビングクラブ。房総半島の山中に全長3.5kmのロードコースを建設する。
全長3.5kmというと、鈴鹿サーキットの5.8kmや富士スピードウェイの4.6km比べると短いが、筑波サーキットの2.0kmや同じく千葉県内にある袖ヶ浦フォレストレースウェイの2.4kmと比べると長い。
スポーツランド菅生が3.6kmと近いが、標高差が菅生が70mに対してその3倍以上の250m、最大勾配も菅生の10%に対して上り勾配20%、下り勾配16%。コーナー数は22、直線路800mにおよび、「どのサーキットにも似ていないコースを持つ、世界に唯一のドライビングクラブ」と世界各地のF1サーキットを設計した名門が担うという触れ込みだ。
2021年にはポルシェが木更津に開設
ポルシェジャパンも2021年に顧客へのスポーツドライビング体験の場を提供する新しい総合スポーツドライビング施設「ポルシェ・エクスペリエンスセンター・ジャパン」の建設を発表した。
米ジョージア州アトランタを皮切りに世界各地で開設しており、ついに日本にも上陸する。
施設の詳細について現時点では公表されていないが、海外事例を見ると複数のコースが併存しており、ザ・マガリガワ・クラブとは趣きが少し違うように思えるが、その場所は千葉県木更津市で同じく房総半島。
前出の同じ房総半島にある袖ヶ浦フォレストレースウェイは、自動車メーカーが報道陣向けに新型車のサーキット試乗会で使用する場合や、セレブ向けだけではなくEVレースやプライベート走行会にも使われる。
フェラーリやポルシェ、世界を代表するプレミアムブランドのオーナーを対象としたサーキットが、なぜ房総半島に集中するのか!?
日本屈指のゴルフ場数で馴染みのある地域
房総半島の県の中部から南部に広がる地域には、日本屈指のゴルフ場数がある。
平日の朝早く、品川ナンバーや横浜ナンバーの高級ブランド車が数多く、東京湾アクアラインを通って館山自動車道を南下、またはアクアラインから圏央道を房総半島の中心に向かっている。
日本のセレブが集中する東京都心や城南地域などの居住地域から、房総半島は1時間~1時間半程度で到達できる、身近な場として定着している。
また、成田空港や羽田空港からも1時間~1時間半圏内にあり、地方都市から車両を陸送したり、車両を長期間保管して、走行する度に飛行機で通って来るにもユーザーにも都合が良いロケーションなのだ。
もちろん、サーキット走行とゴルフや温泉を組み合わせて楽しむユーザーもいるだろう。
費用対効果が最大のポイント
理由は不動産関連サイトで調査すれば一目瞭然だが、東京周辺の不動産価格で房総半島の内陸部から南部の土地は圧倒的に安く、数千から数万坪の単位で購入できる物件が多いからだ。
房総半島は1970年代から社員旅行や家族旅行向けの大型ホテル建設が進み、1980年代から2000年代には、大手デベロッパーが別荘地開拓を進めたがブームが冷めてしまい、結果的に建設が継続したのはゴルフ場ばかりなったのが安くなった要因だろう。
そこに、近年の自動車の超プレミアムブランドの世界的なトレンド化、オーナー向けの自社開発サーキット施設でのサービス提供がはじまり、建築地にロケーションとコストパフォーマンスがいい千葉県の房総半島の中部から南部の地域に注目が集まっている。
ザ・マガリガワ・クラブ、ポルシェエクスペリエンスセンターがどのような仕上がりと盛り上がりを見せるのか、いまからとても楽しみだ。